NIKI twitter

詳細メニュー

免許・商標・その他

電気通信事業 届出番号
A-17-8623
®Werkstatt Halle NIKI
商標登録 第4944201号

実用新案登録 第3117233号
”ロボットの支持器具”

技術士 関 貴司
(建設部門:鋼構造およびコンクリート)登録番号第58107号


« | Main | »

モールトン ミニ スーパー4

By admin | 3月 9, 2011

モールトン ミニ スーパー4sample3.gif    二驥工房オンラインショップで販売中。

お問い合わせは 二驥工房 までご連絡ください。

moultonminisuper4-1967_3.jpg moultonminisuper4-1967_30.jpg moultonminisuper4-1967_37.jpg moultonminisuper4-1967_48.jpg moultonminisuper4-1967_49.jpg moultonminisuper4-1967_50.jpg moultonminisuper4-1967_51.jpg moultonminisuper4-1967_56.jpg moultonminisuper4-1967_71.jpg moultonminisuper4-1967_72.jpg

=はじめに=
この自転車は、Dr.Moulton(モールトン博士)が自宅(英国ブラッドフォードに位置するモールトン城)に設けられた自転車工房(当時:城の地下、現在:敷地内地上)において、7歳~大人向け用途として14インチホイール(ETRTOサイズによる表示の場合の径。現在一般的なインチでは16インチサイズに近似した径:16インチ弱を有す。)でデザインし造られたFフレームのモールトン自転車です。このFフレームには、装備差異による数種類のグレードのラインアップ・バリエーション:シリーズがあります。(スーパー4は、このうちで4段変速機を装備する上位グレード車です。)
Fフレームのモールトンは市販化モールトン自転車の祖に当たるもので、Fフレームには17インチ・ホイールを持ったフルサイズ・Fシリーズがあり、Fフレーム-ミニ・シリーズは、フルサイズ・Fシリーズのコンセプトを用いフルサイズ・Fフレームより後になって開発されたものです。ミニ・シリーズには、17インチホイールのフルサイズ・Fフレーム同構造形式にて、前輪:コイルスプリング/ゴム・ダンパー、後輪:ゴムによるサスペンションが装備されており、意図した主たるシチュエーションの公道においてコンフォートなサイクリングを手伝います。(ラレー社製のサスペンションを省略してしまったモデルは除外視します。)
このスーパー4は、1967年~1969年の3年間製作されました(後半の2年間は、ラレー社によるライセンス生産がなされているようです。)
因みに、当方の経験則からですが、日本人の現在の一般的な中高年層の方々の背格好(当方は無論含まれます)においては、フルサイズ・Fフレームより、ミニ・Fフレームのほうがコンパクトで扱いやすく、且つ馴染み易さを覚えるジャストなサイズであるように思えます。サスペンションのバネレート/ダンピングに関しても、普段使いではフル・ボトム(底突き)することなく機能し按配は良さそうです。一方、フルサイズ・Fフレーム・シリーズは、堂々としており且つ所有欲を満たし、眺めても弄っても良しのサイズをもち素敵なモデルなのですが、街中や自宅での取り回し或は押し歩くとき、その大きさに持余し感を抱くことがあろうと思います。(スローアウェイという分割式のモデルがありますが、この存在価値はこのような場合に存在が光り、素晴らしく思えます。)
やがて、モールトン自転車はFフレームの後続車としてYフレーム・シリースを開発し、この後に現在に至るスペース・スレーム・シリーズ(AMシリーズ~Pillionシリーズ)を開発・展開します。これらのモールトン自転車は、一貫して、ゴムの弾性/変形性能を利用するF/Rサスペンション、20インチ以下の小径ホイール及び高剛性化の図られた小さなフレームを組合せる組成が使われています。モールトン自転車は、独自な思考で小型高剛性フレームに小径ホイールとサスペンションを組合わせて、コンフォート・サイクリングの実現を図り続け60年余り過ごし、バックヤード的(ここでは手工芸的の意)且つ知的で野心的な自転車つくりを之から先においても図り行くメーカーである、当方はそのように思っています。
ご承知のように、モールトン博士はミニ(BMC)のゴム・ラバー・サスペンションの発明者として知られます。ハイドラマチック・システムも博士の仕事です。また、博士の祖父様は空気入りタイヤの発明者であり、このライセンスから英ダンロップ社が現在一般的に使われる役益タイヤ生産をはじめたことは有名です。
現在、モールトン博士は80歳を越えられますが、尚バイタリティ-ある創造・創作活動に日々励まれるジェントルマンでおられます。そして少し以前までの毎朝、博士はAMモールトンを蹴り40Kmのサイクリングすることから始める一日を過ごしておられました。モールトン博士曰く、これにより脳は活性化されるのだ、ということでした。

=概説=
この個体は、モールトン工房製です(レストア開始前、BB幅:660mm、ミルレモ製鉄リム装着を確認しました。非ラレー社製のオリジナル・モールトン個体と判断できます)。この個体は極初期型ではなでしょうけれど(シリアルNo刻印:051)、恐らく1967年式でしょう(推定)。
モデルのサブ・ネーミング:スーパー4の由来は、前述のように4段の変速機をを有した仕様であるからです。後輪ハブ部が4段変速機を内蔵:内装式4段の変速機を装備(英国スターミー製)しています。これは重い造りなのですが、ミニ・スーパー4の美観を損ねず、変速機パーツが露出しないため壊れにくく機能不全になり難い構造形式であり、当方は好ましい選択装備であると考えます。
この個体は、10年に満たない前に比較的良好な(発錆少なく、腐り及び欠品なく健全走行できる)状態の個体を英国より入手し、当方元で3年程掛けレストア兼/機能再生・向上を図りながら組上げたものです。自分用として、オリジナルのテイストを保持させながら、通常メインテナンスを施しつつこの先10~15年程度純分に使える(普段街乗り使いできる)かたちを目指して仕上たものです。思慮深く丁寧にお付合い頂けるオーナー様の元ならば、この目論見通りにスーパー4は伴侶として末永く活躍してくれるものと考えます。

モデル モールトン ミニ スーパー4
年式 1965年式(推定) (このモデルの生産期間は、1964~1967)
形式 ミニ
フレーム スモール・Fフレーム
項目 オリジナル諸元 ⇒ レストア諸元
塗装色 フランボワイアン・チェリーレッド ⇒ 粉体塗装(高耐候性圧膜塗装)によるオリジナル塗装色再現
ホイール リム/鉄英国ダンロップ社製(EJ2-28H)ETRTO 37-298 ⇒ 西独国シュレーマン社鉄製 14 x 1-3/8
ハブ/F 蘭国フィリップス社製鉄/クロムメッキ仕上 スモールフランジ ⇒ OH(inレース研磨)
ハブ/R 英国スターミー製 内装4段変速機式 ⇒ OH(擦り合わせ)
スポーク Trringtom鉄#14 ⇒ SUS#14
タイヤ 英国ダンロップ製 ETRTO 37-298 英国シュワルベ製 ETRTO 37-298
サスペンション F:フォーク・ステム内装コアキシャル式(コイルスプリング/ピラー式ゴム・ダンパー) ⇒ OH(擦り合わせ)
R:メインフレーム後部/リアスイングアーム・ピボット部位装着クリッパー・ボックス(板式ゴム・スプリング/ダンパー) ⇒ リプロ製/新品交換
ヘッドセット 伊国T.D. Cross社製 ⇒ 日本国マエダ工業社製サンツアー/スプリント(新品)
BB 伊国T.D. Cross社製 ⇒ 日本国マエダ工業社製サンツアー/シュパーブ・プロ・マイクロライト(非分解グリーアップ機能付き)(新品)
クランクセット 伊国T.D. Cross社製 ⇒ クランク/仏国カンパニョーロ社製/C-レコード・ピスト 170mm、ギア・リング/同社製/S-レコード 54T
ペダル 英国ユニオンスポーツ社製リフレクター付き黒色ラバー ⇒ 仏国ジッピンメ社製/アルミレース(新品)
チェーン 英国レイノルズ社製コンベトリー・パターン98リンク ⇒ 同社製(新品)
シート 英国ミドルモア製スペシャル・モールトン(S525白) ⇒ 英国BLOOKS社製(BK17)/10年使用品
シート・ポスト 蘭国フィリップス社製 鉄/クロムメッキ仕上げ ⇒ 日本国栄輪業社製/軽合金(新品)
ハンドル バー/蘭国フィリップス社製 鉄/クロムメッキ仕上げオール・ラウンダー ⇒ ハンドル/日本栄輪業社製/軽合金(新品)
グリップ ??? ⇒ グリップ/オリジナル
付加ベル/日本国栄輪業社製/真鍮式(新品)
ハンドルポスト 蘭国フィリップス社製 鉄/クロムメッキ仕上げ ⇒ 日本国栄輪業社製/軽合金(新品)
シートポスト   ⇒ 日本国栄輪業社製/軽合金(新品)
シフトレバー 英国スタミー製 内装4段変速機用 ⇒ OH
ブレーキ キャリパー/蘭国フィリップス社製 鉄/クロムメッキ仕上げ ⇒ 日本国吉貝機械金属社製/軽合金
ダイヤコンペMX-901 F:レッドアルマイト、 /R:ブルーアルマイト(新品)+KoolStopシュー(新品) (※リア・キャリパーは構造変更使用)
レバー 蘭国フィリップス社製 鉄/クロムメッキ仕上げ ⇒ 日本国吉貝機械金属社製/軽合金
ダイヤコンペMX-901 F:レッドアルマイト 、R:ブルーアルマイト(新品)
装備 バッグ(オープション) ⇒ 日本国製/藤籠 (20年使用品を機能再生)
内面/全面FREにて補強後アルカンタラ(くすんだワインレッド色)内張り
外面/有機2液性ウレタン塗装仕上げ
脱着式加工金具(リクセンカクル加工品)装着(新品)
スタンド(オープション) ⇒ 日本国吉貝機械金属社製/軽合金
ダイヤコンペBMX用を加工装着 ブルーアルマイト(新品)

=フレーム/フェンダー=
サンドブラストにてオリジナル塗膜、錆及び汚れを除去/素地調整した後、オリジナル・カラーであるレッド・メタリックを調色再現した粉体(パウダー)に高耐候性圧膜塗装を施しました。
この塗装は、一般的な塗装皮膜に比べ数倍~数十倍の耐紫外線劣化性をもち艶を保持します。Fフレームに適した塗装仕様と考えます。フレーム前部に入るネーム・ロゴは、マスキング書込みした上に有機2液性ウレタン塗装をしました(ハイ・ロック使用)。
フレーム内面に発錆はほぼ見られない状態でした。そこでワックス塗布代わりとしてグリース塗布をしてみました。

=ヘッドセット/BB=
長時間の普段使用を考え、あえてオリジナル・パーツ利用をやめ、少し前の時代の良識を持って製作されていた高精度/高性能である日本製(今は無きマエダ工業社)を使用しました。資料確認では、ネジピッチ/ダイヤ/口径等の規格上の不適合は見受けられなかったのですが、仮組の際に収まり悪さ、渋さ等が見られましたのでフレームに再規格加工を施し、ヘッドセットとBBの装着を図りました。
パーツをヘッドセットは、ハンドリングと走行性に関与するハンドルフォーク・コラム部位を司る部位、BBは、走行推進力を司る部位の要構造パーツです。オリジナル・パーツのOH後の再利用或は新パーツとの組替えの場合に比して、機能性/信頼性/耐久性/メインテナンス性が数段向上している筈です。当方は、このような細工を機能再生或は向上措置として、クラシックな機械に好んで施すことにしています。これは、レストアという真意/道から逸れていると承知しております。この点、申し訳なく思う次第ですが、先々に形を残し且つ機械として全うに使い続けることが出来るよう図る善処工夫として見逃して頂けるならば幸いです。現在装着するBBは、分解せずにグリースガンを使った給脂できます。クランク・キャップを外し(手でこれを押さえつけるようにして反時計回りに回せば外せます)、クランク軸ボルト中央にある給脂から、クランク・シールより新しいグリースが漏れ出すまでグリースガン給脂して下さい。ご自分で出来ます。)
(※メインテナンス間隔:給脂/分解清掃の間隔は、走行距離と利用形態、保管状況によって長短するようになりますが、概ね2~3年毎することを頭に留めおいて下されば良いと考えます。)

=クランク/ギヤ=
個人的趣味から、シングルなギヤクランクの選択枝として仏国カンパニョーロ社を挙げC-レコードのピスト・クランクをポリッシュ仕上げして装着しました。ギヤリングはこれより一世代前のS-レコードです。ペダルもちょっとレトロなアルミゲージの仏国ジッピンメ社のレース用を使いました。
後輪のハブに内蔵される変速機ギヤは、前述の英国スターミー製(内装4段式)です。概観上、前輪ハブ同様にメッキにほとんど錆が浮いておらず、またこれをを分解したところ、ミッション・ギヤ部は馴染みの出て来た良い状態に見受けられましたので、分解洗浄後、擦合わせて再洗浄してから給油しつつ再組立てして使用しています。この内装式変速機ギヤはオイル・バス式でない構造(非ウエット・サンプ式:非ギヤ・オイル充填式)です。時折、油差しを使って若干(数滴程度)の車/オートバイ用のギヤ・オイル(#80程度)を、サービスホールのプラグを外し給油してあげると、先々まで気持ちよく変速してくれると思います。これと同時に、ハンドルにあるシフターの軸部にも1,2滴のオイルをあげることを心掛けて下さい。(両者ともに過度の給油は、埃汚れを呼ぶ要因となりますので様子を見ながら量を加減してください。)
チェーンは、当方の所有するFフレーム用の新品がありましたので、これを切り詰めてオイル・ディッピング置き(オートバイ用のギヤ・オイル(75W-80を入れたトレーに数週間漬置き)して後に装着しました。(このチェーンは、今時に一般的に調達する新品ものよりグレードの高いつくりと考えます。)
(※給油間隔は、走行距離と利用形態、保管状況によって長短するようになりますが、概ね数ヶ月毎、3~4回/年として実施することを頭に留めおいて下されば良いと考えます。)

=F/Rサスペンション=
モールトン・サイクルにおけるFサスペンションは、ハンドリングに大きく関与するシステム(機構/組成)により成り立っています。Fフレームでは、ここにスプライン軸を加え用いてオレオ(テレスコピック)動作する構造が採用されています。これは巧妙でコンパクトな機構組成の採用と考えますが、機械的精度:勘合具合がハンドリン/サスペンション動作を左右し、定期的なメンテナンスを必要とします。(因みに、最近つくられたブリジストンのモールトンは、良くも悪くもこの組成の採用を諦めています。)
そこで、レストア作業では、全うなハンドリング/サスペンション機能再現に努めなければなりません。フロント部分を全分解して、取外したフロントフォーク・コラム・スプライン、スプライン・カップルベアリング(樹脂製)、コイルスプリング、ピラー式ゴム・ダンパー等を観察しました。これらは新品調達が不可能ですので、シム調整も考えながら、勘合性、作動性、ダンピング性等を単体毎で確認しました。幸いにして、(浮き錆等が見られる部位はありましたが、)劣化/ヘタリの見受けられるパーツはありませんでしたので(サスペンション・ブーツ:ダストカバーを除く)、洗浄後油脂類給布しから様子見ながら擦合わせして、再洗浄後、油脂類給布をしながら組立てしました。実は、正常で異常磨耗のなかったスプライン・カップルベアリングは若干痩せ(経年変化と類推判定)しておりましたので、ステアリング動作に関して多少の遊びが発生しております。しかしながら、通常の走行性に関しては、試乗を繰返しましたが、現状の自転車仕様において分からない(不自然さのない)状況であることを確認しています。先々のメインテナンス時まで問題は発生しないだろうと当方は考えます。問題なしと考えて頂いて良いものと思います。ご了解下さい(このことに関して、当方の先々に楽しみとしてとっておいて下さると幸いです。)サスペンションブーツは、リプロダクツ・パーツが入手できましたので換装しています。
Rサスペンションの構造はFサスペンション機構に比してシンプルなものになっていますが、やはりハンドリング/走行性に大きく関与するものです。ゴムパッドはリプロダクツ・パーツが入手できましたので(迷わずに)換装しました。一方、ピボット・ブッシュとピボット・ボルトに関しては、固着、異常磨耗、痛み等が見られず良好な状態でした(分解時確認)。そこで、洗浄後に擦合わせ、浄後油脂類給布して組付けました。ここもメンテナンスを怠らなければ、F/Rサスペンションは不都合なく末永く機能するだろうと考えます。
(※このメインテナンス間隔:給脂/分解清掃の間隔も、走行距離と利用形態、保管状況によって長短するようになりますが、概ね2~3年毎することを頭に留めおいて下されば良いと考えます。)

=ホイール(前輪/後輪)=
オリジナルの鉄ミルレモ製のリムの発錆状態は、この個体の唯一汚点になろう状態でしたので、同社近年の同等径/幅サイズをもった14×1-3/8のリムにSUSスポークとオリジナルのフロント/リア・ハブ(前/後輪の軸部位構造)を使いつつホイール組みしました。リア・ハブは前述の様にしてOH利用ですので、先々までメンテナンスしながら心配なく使い続けることが出来ると考えます。フロント・ハブは、分解したところインナー・レースに偏磨耗を発見しましたので、洗浄してから修正再研磨修正し再洗浄して、ベアリング・ボールを組替えて組立てて使用しました(アウター・レースは、洗浄点検後再使用判断)。現状のスムーズを維持すべく、メインテナンスしながら使い続けられればスーパー4は快走具合は先々まで変わらないと考えます。
※このホイールのメインテナンス間隔:給脂/分解清掃の間隔も、走行距離と利用形態、保管状況によって長短するようになります。
(タイヤ交換等の作業は別として、)特にフロント・ホイールに関しては、ハブが定期的メインテナンスを必要とする構造で出来ていますので、(出来るならば、)半年毎に一度、次の様な事柄に注意を払って下さい。現状のフロント・ホイールは、軽やかな回転をすると思います。(”軽やかさ”を見るには、フロントホイールを持ち上げるようにして、手で軽くホイールを回転させるようはずみをつけ、回る様子を観察するようにすると分かります。)
フロント・ホイール(前輪)に関しては、この軽やかに回る様子が無くなったと見受けられる時がメインテナンスの必要時期になります。この感覚はなかなか分かりにくいので、乗り出す前(現時点)のこの様子(上述)を記憶しておけば比較対象(判断基準)として役立つだろうと考えます。
因みに、リア・ハブは変速機として給油されますから、こちらはギヤ機構として、概ね2~3年毎にメインテナンスすることを頭に留めおいて下されば良いと考えます。

=F/Rブレーキ=
小径ホイール車といえ、ブレーキに関しては現行する機能部品への更新化を図るべき部位であるという自己見解から、あえてオリジナル・パーツ利用をやめて、美観ある造りをもった少し前の時代の良識を持って製作されていた高精度/高性能な日本製(今は無き吉貝機械金属社)をフレームに合せて加工し、米国製シュー(KoolStop社)と組合わせ使用しました。(因みに、リア・キャリパーは、フレームとの取合い都合から、表裏構造を逆転させる構造変更を施して使用しました。)
また、シューはリムとの初期擦り合わせ(馴染み)加工を施してから装着してあります。乗り出し時から、良好な制動性を示すと思います。
更新化させたキャリパーとレバーによるブレーキは、(オリジナル・ブレーキに比して、)単体及び組付けの精度/剛性等が上がっていますので、鳴き/ビビリの発生無く気持ちよく安定的に長期に渡って使えると考えます。
(※メインテナンス間隔:給脂/分解清掃の間隔は、走行距離と利用形態、保管状況によって長短するようになりますが、概ね2~3年毎することを頭に留めおいて下されば良いと考えます。ただし、ブレーキ・シューの減り具合は日頃から注意を払って下さい。使用限界:シュー残量限界を超えて使用する場合、制動不良他、リムに支障を来たす恐れがあります。この使用シューは厚さ(シュー中央部位の厚さ)が3~4mm程度になる前、メインテナンス間隔を気にすることなく(タイヤと同様にして)交換して下さい。)
ダイア・コンペによるブレーキ・セットの前後アルマイト色を赤/青のコンビ仕様としたのは、ユニオン・ジャック表現を図りたかった理由によるものです。

=ハンドル周り=
メッキ仕様パーツの使用も捨てがたかったのですが、慣性力発生の低減と軽快感を追求し、あえてオリジナル・パーツ利用をやめて、少し前の良識を持って製作されていた日本製(今は無き栄輪業社)のパーツを切り詰めながら、アルマイトを剥いでポリッシュ仕上げして装着しました。ここに、オリジナルのやや黄ばんで落ち着いたクリーム・トーンになっていたグリップを洗浄して装着しました。ここに赤と青のアルマイト色をもったブレーキ・レバーが加わる様は良いコンビネーションであると思っています。
ベルは、コラム(ハンドル・ステム)に直付けした真鍮製のものを装着しました。後付け感がなく気に入っています。また、良い響きを奏でます。

=シート=
オリジナルのミニモア使用は悪くありませんが、あえて個人的趣味から、BROOKS(BK17)の10年使用品(私用)を使用しました。私的には、新品を装着した時より今の方が良く思え、この仕様としています。

=籐籠=
友人が約20年使用、作業で大切にしていた籐籠を譲受け、これをミニ・スーパー4の脱着可能なフロント・バスケット用に専用加工して装備しました。
耐候性と強度保持を考えて、この籠の内側全面にFRE加工(マイクロ・クロス・ファーバーのエポキシ樹脂による多層積層コーティング加工)と内張り(くすんだワイインレッド色のアルカンタラ内装張り)、表側全面には有機2液性ウレタン塗装仕上げを施し、ワンオフの脱着機構(リクセンカウル・アタッチメントの加工流用)を加えて装備しました。この籐籠に脱着させる必要性は特にありませんでしたが、単体が貴重品(ワンオフ)、且つミニ・スーパー4の保管時における破損防止措置化と収納性の向上化、籐籠を単体にて室内保管を図れる場合の非劣化性を期待したいことがあって造作しました。
この思慮深く丁寧にお付合い頂けるオーナー様の元ならば、機能/美観を損ねることなく長くミニ・スーパー4で使って頂けるものと考えます。

=スタンド=
美観ある造りをもつ少し前の時代の良識を持って製作されていた高精度/高性能な日本製(今は無き吉貝機械金属社)をミニ・スーパー4に合せて加工して装着してみました。サイドアーム式に不安定さを感じられるかもしれませんが、この小ささがミニ・スーパー4に良く馴染み美観を損ねない後付装備品であると自負ます。ご理解頂けるなら幸いです。

工場長 関 貴司

Topics: 自転車&バイク | コメントは受け付けていません。

Comments are closed.